夏に眠る( 夏眠 / Sommerschlaf )/ 伽耶 / 張り剥し自由

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世界は気が遠くなるほど大きくて
そのなかで生きる僕らなんてちっぽけで
出逢うひと出遭うひとみんな
それでも素敵で眩しくて
だけど ねえ
どれだけ心が動かされても
どんなに面影重ねてみてもやっぱり
あなたじゃなきゃあ って
おもっちゃうんだよ
あなたへの鼓動が
いつまで経っても鳴り止まないまま
知らぬ間にネジを巻き続けている






オルゴール / 荘野ジュリ
(こんなにたくさん色んな人がいても
 どうしてなんだろう あなたじゃなきゃだめだよ)


TTLE:不在証明[ http://fluid.hiho.jp/ap/ ]
2008.01.25 /
わたしの右手はあたたかい
やさしくてうつくしく残酷だ
いつかポケットから手を出したとき
それはきみのすべてが褪せたそのとき
わたしの右手は温度をなくして
二度とかえらないきみをもういちど喪うんだろう
二度目の葬儀はわたしひとりで
つめたくなったきみと同じ温度の右手で手を振るよ






スノースマイル / BUMP OF CHICKEN
(僕の右ポケットにしまってた思い出はやっぱりしまって歩くよ)

タイトロープ / ASIAN KUNG-FU GENERATION
(時が経っても想いはまだ色褪せないけど
 右ポケットで握り締めてグチャグチャになったよ)
2008.01.25 /
わかりたくなんてない
わかってしまったら
わすれなきゃならない

あの日からあなたは
虚像で理想で幻想で想像で妄想で
記憶のなかのあなたに真実なんてもうひとつものこっていないんです
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
それでもさようならがいえないんです
あいしているんです
ねえ


あいたいよ、



ワールドアパート / ASIAN KUNG-FU GENERATION
(想像の世界で君も全部なくして 分かったよ)
2008.01.25 /
毎日を死にもの狂いで生きているわたしは
息をするのよりも簡単に
大切なことを忘れてしまうからね

シャッターをきったまま
上手な再生を知らなくて
なにひとつ記憶に残せない

だからって何も愛してないわけじゃないんだ
ただ君みたいになれないだけで
無知の知を知るひとはいつだって
自分の罪を嘆くやつよりうつくしい

何だってわたしは
意味のないことばかり並べるのだけ
一人前になってしまったのだろ

まるで悲劇みたい

だからってシェークスピアの戯曲めかしく
何もかも真似るのはつまらない
だけどわたしそれ以上に
上手な再生を知らない



Title:fjord [ http://www5.pf-x.net/~fjord/ ]
2008.01.25 /
誰かの真似じゃなきゃ言葉も紡げないわたしが
誰ひとりの心も動かせないのと同じように
世界中の悲鳴が明日聴こえたって
きっとわたしは涙だって流さないんだろう

世界の不条理が秩序

矛盾が殺していく正義を
どうしたって守れないなら
本当の本当にうつくしいものなんて
どこに存在するのだろ

それでもあなたの言葉は素晴らしい
純粋なかなしみをしってる
愛しいのも憎らしいのも
ぜんぶ繋がってるんだって教えたのもあなた


くだらない感傷だって嗤うより先に
嘘だっていい
あなたを傷つけるものすべて
そのかなしみに続くものだって言ってよ

2008.01.25 /
わたしはやさしいひとなのだという。それは間違っていない。易しい人間だ。しかし間違ってもいる。わたしは優しい人間ではない。心の底で神を冒涜する罵倒を繰り返し繰り返し繰り返し。それだけではない、わたしは自分以外を愛せない。人が人を貶める言葉は、どんなにか耳が痛いものか、おまえは知っているか。棘にまみれた不用意な言葉を垂れ流すその口の歪みを自覚しているか。その涙はなんだ、誰のために流している。零れないように堪える瞼の痙攣を認識しているか。知らないだろう、何ひとつ。わたしの心臓が不快な遅速の変化を繰り返しているのがおまえには聴こえない。心の底、口汚く罵る声が聴こえない。なぜならおまえこそが優しいからだ。おそろしいほど。わたしは醜いものがすき。だからおまえを愛せない。自分以外を愛せない。

2008.01.25 /
ああ、だってきみ、そんなもの本当は要らなかったんだろう。押しつけがましい愛の類もごっこ遊びのおだやかな恋も、だけどあの世界には必要だった。だからアンバランスな均衡が崩れ去ったあの時、終焉の予感はみんな知ってた。そう、あの夏はやさしかったね。みんなひとりぼっちでさみしかった。おんなじところが欠けていたのに必死でそれを埋めようとしてた。なんてかなしくて愛しいひとたち。そのなかでもいっとう好きだったのはきみだった。今まで過ごしてきた時間で手に入れたものすべて、きみに差し出したってよかった。ああだけどきみ、そんなもの本当は、要らなかったんだろう。きみが必要としてたのは、蝉よりも長い命だけだって、みんな知ってた。

2008.01.25 /
夏が死ぬよりせつない季節の終わりを、わたしは識らない。
桜が散る儚さも枯れゆく葉が風に舞う哀愁も雪が水へ還る遣る瀬なさも、
夏が死んでしまうせつなさには敵わない。
こうしている間にも、夏は一瞬ごとに死んでいく。
それを想うたび、誰もが嫌う茹だるような熱気がわたしはたまらなくいとしくなる。
遠くから聞こえる笑い声、命まで削るように啼く蝉の声、原色に瞬く世界、帰ってきた懐かしいひとたちの笑顔。
ああ、もうすぐ夏が終わる。
わたしの愛した原色の夏がとおくとおく、褪せていく。


2008.01.25 /
さみしいさみしいさみしい
とおく離れていく背中
いつだって見送るだけのさよなら
振り返って 振り返って
手を振るあなたは夏のよう
きっとまた逢えるけど
それだけじゃかなしいよ

どうして僕はわがままなんだろうね

2008.01.25 /
おれがいなくてもたのしめるひがくるよ

真実になるのがこわかった
どうして気づけなかったんだろう
君がさよならを識っていたこと
わたしは識らないふりをしたこと
別れが必然というのなら
どんな終わりでもいいとおもってた
どうして気づけなかったんだろう
君のその手の果敢無さだとか
わたしのこの手の無力さだとか
別れが永遠になる瞬間
どんな祈りより強く願ってた



とうとう本当になってしまった
だけど幸せだとは云えないよ
きっと幸せにはなれないよ
世界はうつくしいけど残酷で
君がいないのに鮮やか過ぎる
目を閉じても想い描けない
耳を塞いでも声は聴こえない
喉を震わせても空を越えない

どうしてだろうね
もう涙も出ないのに
もう二度とむりなのに
どうしてだろうね

ただ 逢いたいよ


2008.01.25 /
きみに逢える最後のあの日
ふたり騙しあって永遠を描いた
白い部屋のなかに満たされた
消毒液とお別れのにおい
ただ繋いだだけの左手じゃきみを救えないことも知っていた

言葉にするにも泣いてしまうにも弱すぎた僕らはあの日
笑いあう世界一の役者になれた

さようならを知らないこどもになれた


2008.01.25 /
どうしても夏はきみを繰り返してしまうね
真っ白なベッドに横たわるきみの
笑顔みたいな寝顔がよみがえって
たちまちわたしは無力な抜け殻になる
たったひとつの季節でわたしを救ったきみを
ただ愛することしかできなくて
だけどそれすら伝わらないね
だって永遠はきみだけに訪れた
でもかなしくないよ
もうわらえないけどなかないよ
またねなんて言えないけど
だって輪廻転生なんて柄じゃない
でもただひとつだけ
もうとどかないけどひとつだけ
赦してなんて言わないから

逢えてよかった

それだけは云わせて


2008.01.25 /
きみに辿り着かない想いばかり廻って
もう気が狂ってしまいそうだ
伸ばしたまま朽ち落ちた手で
悲鳴みたく渦巻く感情をころして
あの日確かに、神様の死臭がした


2008.01.25 /
泣いてしまうには
世界はあまりにきれいすぎて
見開いてみたけど
それでもきみはみつからなくて
やさしいだけの想い出が
ゆっくりと僕を蝕んでいく
さよならを云うくらいなら
いっそきみの幻に殺されたいんだ
今もただ
立ち尽くすだけの僕に救済を


2008.01.25 /


びっくりして、こえがうわずって
うまくことばがでてこなかった
それでもかれはひたすらに
わたしをなだめるようにやさしくて

あのひとににているとおもった

ばかだな

もし、
もしあのひとがまだ
わたしのせかいにいきていたら
こんなふうにふしぜんだけどしぜんに
はなせたのかなあ なんて

かなわないゆめ
ゆるされないゆめ

やっときづいた
やっと、


おもいあえなくてもいいから
せめてそばにいてほしかったんです
2008.01.25 /


あのこのまえでわたしは劣等感のかたまりになる
嫉妬も羨望も憎悪もぐちゃぐちゃになって前が見えなくなる
わたしはなんでこんなにきたないんだろう
あのこの涙を見てこころの裏側で嘲笑っているんです
くるしいくるしいくるしい
だけど言えない
だから癒えない
逃げ込んだトイレの鏡に映った姿は吐き気がするほど醜悪だった
流れ落ちないままの涙がきもちわるかった
こんなにくるしいのに
どうしてわたしはあのこから離れられないんだろう


2008.01.25 /
もう冷夏は訪れない
あの真冬みたいにつめたい真夏
段々と熱を孕む世界で
四季のすべてが夏になる
そのまま世界は死ぬだろう
君をなくしたわたしの世界みたいに
きっと世界は死ぬだろう
それまでわたしは何度でも
君のまぼろしを葬るんだろう、
(世界葬まで)



Title:オペラアリス [ closed ]
2008.01.25 /
今も変わらずに
わたしの世界にきみが生きていたら
そうねがわずにはいられない
三年目の朝にはゆるされない夢を
目覚めるたびに殺すきみ
あんなにも想い描いた永遠は
さようならよりもくるしくて
塞いでも見開いてもいつまでも
シークエンスのすべてにきみがいる

2008.01.25 /
箱のなかに渦巻く歓声と絶叫。
何百というひとのなか、向き合ってただ白を追う。
揺るぎないその眼が痛いほど綺麗だった。
誰かが言った「最後」に、なぜか涙があふれていく。
世界の夏が始まったその刹那、わたしたちの幕が降りきった。

もう二度と、あのコートにあなたたちの姿は見つけられない。

2008.01.25 /
ふっと目が醒め、まだ漆黒に慣れない眼を瞬かせて、隣にねむる男を見た。
いつ出逢ったかも覚えていない。名前も――本当の名前かどうかも知らないその男は、常に饒舌だった。
嘘か本当か解らない灰色の話をしつづけ、話し疲れた頃にその口でキスをする。
割り切った関係というにはあやふやで、タブーと言われるほど後ろめたいものでもなく。
ただ男も自分も嘘を連ねて、偽りを重ね、決して埋まらないなにかを埋めようとする。
欠けた部分が同じだというのも解っているくせに、気づかないふりをしながら。
つまりこの関係こそが紛れもないまやかしなのだ。
いつかすべてが真実になった時、私達は二度と逢わない事を心のなかだけで誓うだろう。
なにひとつ誤魔化せないほどに、互いに自分自身を識り過ぎていた。
曖昧で頼りない私達は、本当の愛を抱えるには弱すぎるのだと。
再び微睡みのなかに堕ちるまで、臆病さゆえに訪れるはずが無いそのラストシーンを仮想していた。
2008.01.25 /